いよいよプラン公開・・・高性能だからできる間取り

今回はいよいよ、これまで考えてきた高性能賃貸住宅のプランをご紹介します。

土地の条件を整理し、入居者の暮らしを想像しながら、性能・コスト・使いやすさを一つずつ検討してきました。
そして、何案もプランを検討した末に、ようやく一つのプランにたどり着きました。
こちらがそのプラン図です。

平面プラン

このプランで考えたこと
今回の計画では、まず「隣の住戸をあまり意識せずに暮らせること」を大切にしました。
2台分の駐車スペースを確保しながら、玄関を離し、そのアプローチをそれぞれ独立させて、お隣と玄関先で顔を合わすことがないようにしています。
そして、隣戸との間には二重壁による界壁を採用しました。
できるだけ音が伝わりにくい構造とし、今回のプロジェクトで重視している「遮音性」に配慮した構造です。

「仕切らない」ことで、広く感じる
玄関ホールや廊下をできるだけ小さくするだけではなく、扉や壁による仕切りを減らし、できるだけ視線が奥まで抜けるようにしています。
空間のつながり方を変えることで、床面積を抑えながら、実際以上の広がりを感じてもらえる住まいにするためです。

水回りはまとめて、家事をラクに
水回りは東側に集約しています。
キッチンから洗面・脱衣室、浴室までの動線をできるだけ短くすることで、毎日の家事がスムーズになるように配慮。
そして、洗面化粧台は脱衣室の中には設けていません。
誰かがお風呂に入っているときでも、洗面台を使えるようにするためです。
家族それぞれの生活時間が違っても、できるだけお互いに気を使わず暮らせるように配慮しました。

階段も「ただの通路」にしない
階段にも工夫を加えました。
スリット手すりを採用して、階段を閉じた空間にせず、上下階への視線が抜けるようにしています。
さらに、無垢材を使うことで、木の柔らかさを感じられる場所に。
単なる移動スペースではなく、リビングの一部として感じられるような階段を目指しました。

キッチンまわりは、収納もしっかり
キッチン横には冷蔵庫の置き場所を確保し、キッチン背面にはカップボードを設置できるスペースを設けています。
階段下の空間を利用してパントリーも計画しました。
キッチン対面部分やリビングのテレビ台にも、木を使った収納を設けています。
仕舞える場所を設けることで、生活用品があふれにくい住まいにしたかったからです。

高性能住宅だからこそ、吹き抜けをつくる
以前の記事でもお話ししましたが、吹き抜けは住宅性能が十分でなければ、冬の1階が寒くなったり、夏の2階が暑くなったりする原因にもなります。
だからこそ、一般的な賃貸住宅では採用をためらうことも多いでしょう。
今回は、断熱等級7レベルの高い断熱と高い気密性能を前提に、この吹き抜けを計画しました。
上下階の空気がつながることで、家全体の空気を循環させ、1階と2階の温度差をできるだけ小さくする。
階段と合わせて、高性能住宅だからこそ実現できる、今回のプランのポイントです。

2階は暮らし方に合わせて使えるように
2階には、あえて3部屋を確保しました。
寝室や子ども部屋として使うのはもちろん、納戸や書斎、リモートワークスペース、趣味の部屋としても利用できます。
賃貸住宅では、入居者の暮らし方ははっきりとわかりません。
だからこそ、使い方を限定しすぎないことを意識しました。
家族構成やライフスタイルが変わっても、ある程度柔軟に対応できる。
そんな「余白」のある間取りの計画です。

エアコンは、各部屋に設置しない
そして、今回のプランでもう一つ大きな特徴が空調計画です。
冬は1階に設置したエアコン1台と夏は2階ホールに設置したエアコン1台。
それぞれの季節に合わせて、家全体を効率よく冷暖房する計画としています。
もちろん、これは単純にエアコンを2台に減らしたという話ではありません。
断熱等級7レベルの住宅性能があり、さらに空気の流れまで考えてプランニングしているからこそ成立する計画です。
どこにエアコンを置くのか。
どこから空気を送り、どこへ戻すのか。
吹き抜けをどう利用するのか。
間取りと空調を別々に考えるのではなく、最初から一体として考えました。

本当に、このプランで快適なのか?
一般的な住宅のプランとは違うため、イメージがわきにくいと思います。
正直なところ、このプランが実際に良いかどうかを判断するには、冬や夏に体感してみないとわかりません。
完成時には、ぜひ内覧をしていただき、その温熱環境や素材などの空気感、空間の広がりなどを体感していただきたい。
その上でどう感じるか判断してもらえればと思っています。

次は外装や内装などの仕上げや仕様のお話しをしたいと思っていましたが、ここで再び、思わぬハプニングが・・・
次回はその内容をお話しします。