住宅性能・・安心して暮らせる、そのための基本性能
今回は、賃貸住宅の根幹となる住宅性能についてご紹介します。
住まいの基本的な役割は、安心して暮らせることだと考えています。
地震や水害などの災害から命や暮らしを守ること。
そして、外が厳しい暑さや寒さにさらされていても、室内では快適に過ごせること。
さらに、隣戸と壁を共有する集合住宅では、音の伝わりにくさも大切です。
お互いの生活音をできるだけ気にせず暮らせることは、プライバシーを守るうえでも欠かせません。
こうした住まいの基本性能を確保するために、これまで注文住宅で培ってきた経験と技術を活かし、各項目について性能を追求しました。
遮音性能|隣戸の音をできるだけ伝えない
2戸が壁を共有するテラスハウスでは、遮音性能が暮らしやすさを大きく左右します。
そこで、住戸間の界壁には二重壁構造を採用。

壁や2階床には、タイガースーパーハードやサウンドカットを使用し、音の伝わりを抑える工夫を施しました。
さらに、界壁の部分にはセルロースファイバーとロックウール断熱材を入れています。
単に壁を厚くするだけでなく、複数の材料や構造を組み合わせることで、音への配慮を重ねました。
耐震性能|耐震等級3を確保
地震への備えとして、許容応力度計算による耐震等級3を確保しました。
耐震等級3は、住宅の耐震性能を示す等級の中で最も高い等級です。

同時に耐風等級も最高等級の2を確保して、住宅性能評価書によって第三者機関の審査・確認を受けています。
安心して長く暮らしていただくために、目に見えない構造部分にも、しっかりと根拠のある性能を持たせました。
断熱・省エネ性能|断熱等級7を実現
断熱等級は、国の基準で定められた最高等級の7を確保。
HEAT20の基準ではG3に相当する、非常に高い断熱性能を目指しました。
住棟全体と各住戸のUA値は、いずれも0.24W/m2Kです。
UA値は、建物からどれだけ熱が逃げやすいかを示す指標で、数値が小さいほど断熱性能が高いことを表します。
この数値は、私たちが普段手掛けている注文住宅と比べても、同等以上の水準です。

また、一次エネルギー消費量等級は最高等級の8を確保しました。
建物の断熱性能だけでなく、設備の省エネ性能も含めて、エネルギー消費を抑えられる住まいとなるような計画です。
同時に住棟のBELS評価も申請を行い、エネルギー消費性能はもちろん最高等級の6☆を獲得しています。

太陽光発電は、合計7.84kWを搭載。それぞれの住戸で発電した電気を使えるよう、配線や設備も計画しました。
高い断熱性能と省エネ設備を組み合わせることで、快適な室内環境と光熱費の負担軽減につながります。
気密性能|隙間相当面積C値は0.3
断熱性能とあわせて重要なのが、建物の隙間を少なくする気密性能です。
この住宅のC値(隙間相当面積)は、実際にそれぞれの住戸で測定した結果、0.3cm²/m²と同じ結果となりました。

C値は、建物全体にある隙間の面積を延べ床面積で割った数値です。小さいほど隙間が少なく、気密性が高いことを示します。
気密性を高めることは、計画した換気を行いやすくし、冷暖房の効率を高めるうえでも大切です。
また、隙間を通じて音が伝わる経路を減らすことにもつながり、外への遮音性も高くなります。
耐久性能|長く維持管理できる建物に
建物を長く使い続けるためには、完成時の性能だけでなく、将来にわたる耐久性も重要です。
そこで、劣化対策等級も最高等級の3を確保しました。
これは、通常想定される自然条件や維持管理の条件のもとで、3世代にわたって住み続けられることを目指し、構造躯体の劣化を抑えるための対策を講じたものです。
建物は、完成したときがゴールではありません。
できるだけ長く使い続けられることも、賃貸住宅の価値を考えるうえで大切な要素だと思います。
このように、耐震性、断熱性、省エネ性、気密性、耐久性といった住宅の基本性能については、国の基準における最高等級を中心に、できる限り高い水準を確保しました。
もちろん、性能を示す数値が高ければ、それだけで快適な住まいになるわけではありません。
大切なのは、こうした安心・安全のための基本性能を土台にして、実際の暮らしをどれだけ快適にできるかということ。
これまでご紹介してきた間取りや素材、設備の工夫も、すべてはそのためにあります。
次回からは、実際の工事の様子をご紹介していきます。